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帰結なき決戦

 さて、もうツイッターでは散々つぶやいていますが、改めてホビット第三部「決戦のゆくえ」の感想をば。感想というか不満だった点のまとめみたいな。
 
 もちろんネタバレ含んでいますので、一応たたみます。
 
 初鑑賞後、最初に湧いてきたのは「これで終わりにしちゃうんだ…」という半ば戸惑ったような気持ちでした。もちろん迫力ある戦闘シーンやそれぞれのキャラクターの情感あふれるやりとりに感動もしたのですが、そういった個々のシーンの良さでは補えないもやもや感というか、大事なところがスッポリ抜けているのでは?という気持ちがどうしても先に湧いてきてしまって、素直に感動できない部分がありました。
 
 おそらく同じ感想を持った人が多いと(勝手に)思うのですが、最大の要因は戦いの決着~エピローグがあまりにもあっさりしているところでしょうか。どーにも削りすぎ&投げっぱなし状態だよPJ!という感じです。
 
 まず五軍の戦いが結局どうやって決着がついたのか、ちゃんと描写がない。まあトーリンが「頭を叩く」と言ってアゾグを倒して、それで切り札の鷲&熊も来たところで勝敗は分かるといえば分かるんですが、もうちょっと戦争としてどう決着がついたのか見せられなかったものか。
 
 戦いの決着と同じく、戦いの流れや趨勢も分かりづらいというか、ちょっと大雑把かなと。個別の戦闘シーンそのものはさすがに見応え十分に作ってあって、森のエルフ軍の一糸乱れぬ動作からの激しい戦いぶり、ダイン軍の盾の壁を飛び越えて突撃するシーンなんか「うおぉ~」となりましたし(後から考えると盾の壁作ったらまずその後ろから弓矢で攻撃する方がいいんじゃね?とか思いましたが…)、それぞれ鹿と猪に乗って奮戦するスランドゥイルとダインはどちらもいい動きで見入ってしまうほどでした。特にスラ王は騎乗で斬りまくって鹿を降りたら二刀流とかもうかっこよすぎて!ダインも第三部からの登場だというのに戦い方でもキャラが立っていて素晴らしかった(どちらかというとアイアンヘッドじゃないかこれと思いましたがw)。
 
 ただエルフ軍はデイルでの市街戦になると影が薄くなっちゃって、いつの間にかごっそり戦死…。で、スランドゥイル撤退を決めたところにタウリエルとレゴラス登場。そこでひと悶着あった後、決着後にまたこの二人と会うまで、スランドゥイルと生き残りのエルフ軍はどうしてたんでしょう。どっか別の場所で戦っていたと考えてあげるべきなのか。そもそも、スランドゥイルがあそこまで宝石に固執する理由が明白ではないので(ツイッターで情報を聞きかじりましたが、本編では詳しくは語られず)、その参戦も撤退も動機付けがボケてしまっているように感じました。
 
 トーリンが正気を取り戻し、満を持して出陣。先頭に立って突撃し、まさに楔のように敵軍を切り裂いていく場面はシビれる程に良かったし、ドワーリン・フィーリ・キーリとともにアゾグを叩きに行くぞ!という流れも良かったと思います。また、氷上でのアゾグとの一騎打ちそれ自体も申し分のない出来で、特にレゴラスの投げたオルクリストを手にとってアゾグと対峙するシーンは素晴らしい絵だなと。一騎打ちののちビルボがトーリンの最期を看取り、「鷲がきたよ!」と語りかけながら泣き崩れる… これ自体はいいんです。が、やっぱり「それで戦いはどうなったの?」というところがすっぽ抜けているんですよね。トーリンとアゾグ、トーリンとビルボ、そういう個人と個人のやりとりを描くのはいいんですが、戦い全体の流れと帰結も描写されないと、それは片手落ちなんじゃないかなと。(大将首取ったんだから勝ちでいいだろ、と言われればそれはそうかもしれないですが…)
 
 エルフ側もそうで、タウリエルとキーリ、スランドゥイルとタウリエル&レゴラスという個人同士の感情の絡みというのは描かれていて、愛というものにそれぞれ苦しんでいたというのは分かるのですが、やっぱり個々の感情の問題という段階で止まってしまっているように見えてしまうんです。
 
 結局、戦いの大局的な決着と、原作にもある戦後のやり取りがまるっきり省かれてしまったせいで、上記の様々な個別の描写が宙に浮いてしまっているように感じるんです。もちろんキャラクターそれぞれの最終的な心の通わせ方はいいし、キャストも好演しているんだけど、それをちゃんと一つの物語として締める場面がないから、なんかそれぞれバラバラに悲しんで終わっちゃったね、みたいな。
 
 トーリンをあれだけ病ませたエレボールの黄金とアーケン石はどうなったのか。そのトーリンはどう弔われたのか。王国の再建と王位は。ドワーフと人間とエルフはどう和解したのか。そしてその中で、ビルボがどういう役割を果たしたのか。そこらへんを全て省いて、戦いは終わってめでたしめでたし(でもないけど)、ですぐにビルボが帰途についちゃったら、トーリンとビルボの二人の物語にしかならないと思うんですよね。何のために戦争が起こったのか、さらには第一部・第二部で何のために危険を冒して旅をしてきたか、物語としてのゴールが消えてしまっているような感じです。
 
 前述のとおりRotKと直接比較するのもあまり意味がないかもしれないのですが、RotKで得られたほどのカタルシスが、BoFAではあまり得られなかったのは、やはりその部分にあると感じます。もちろん、RotKとはストーリーも戦いの意味合いも異なると思うので、同列に語ることはできないのですが、それならそれでPJはBoFAでどういう決着をつけさせたかったのか?という点がどうも自分には伝わってきませんでしたこれ、結局どうしたかったの?中つ国六部作の締めがこんな形でいいの?
 
 こういった投げっぱなしラストが、PJはじめ制作陣の何らかの考えによるものなのか(または考えなかった結果なのか)、単純に編集が間に合わなかったのか、あるいは何かしら外的な要因によってこうせざるをえなかったのか… そこらへんは見る側としては想像することしかできないことなので確かなことは言えませんが(個人的にシリーズ最後の第三部が一番上映時間が短い、というあたり何か少しおかしなニオイを感じるのですが)、それでも最後の最後に肝心なところを欠落させてしまったことは、正直非常に残念だなと思います。EEでは補完されるのかもしれませんが、でもやっぱり劇場版でも抜いちゃいけないところってあるだろ…と。
 
 あと細かいところですが、やっぱりフィーリとキーリはトーリンの側で死なせてあげたかった… キーリについてはタウリエルと絡めるのはもうストーリーの展開上必然ではあるのですが、それでもやっぱり。
 
 と、ネガティブな感想を中心にした文章になってしまいましたが、でもやっぱりこれからまた何度か映画館に足を運ぶ予定ですw だってほら、大画面で見られる期間は決まっていますし…。やっぱり1度2度の鑑賞じゃ勿体無い、というぐらいの魅力はあると思っています。これだけ「中つ国」の具現化に力を注いだシリーズの最終章ですし。それだけに、やっぱり残念さも際立つ、という感じですが…。

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