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ギル=ガラドがフィンロドの息子だった頃(HoMe11)

 またHoMeネタをひとつ。
 中つ国のノルドール最後の上級王であるエレイニオン・ギル=ガラドは『シルマリルの物語』ではフィンゴンの息子とされていますが、その後クリストファ氏によって訂正され、オロドレスの子であるという設定になった…ということはシルマリルファンの間では知られていることだと思います。
 しかしその設定にたどり着く以前に、実はフィンロドの子であるという設定があったようで、それがHoMe11の中で少し解説されているのでメモ代わりにまとめてみたいと思います。
 
 ギル=ガラドのことは、HoMe11の'15 Of the Ruin of Beleriand and the Fall of Fingolfin'の中(p.242-3)で解説されており、ダゴール・ブラゴルラハ後のことの記述に加えられたメモの中にギル=ガラドの名が登場するようです。
 まず一つ目は、フェラグンド王(フィンロド)がバラヒアに指輪を与えた、という記述の後に加えられていた一文。
 
「しかしその時かれ(フェラグンド)は、モルゴスの力の前に全ての堅固な場所が結局は陥落する運命にあることを恐れ、妻メリルをエグロレストの同族のもとへと避難させ、そして一緒にまだ子供であったその息子を行かせた。その子はその目の輝きから、ギルガラドすなわち星明りと呼ばれた。」
 
 ここではフェラグンド王に妻子がいることが書かれています。エグロレストはファラスの港であるエグラレストの初期名で、その「同族(own folk)」ということからメリルはおそらくファラスリムなのではないかと思われます。その子ギルガラドがまだ幼いことを考えると、中つ国に渡ってきてからフェラグンドとメリルが結ばれて子が生まれたと考えるのが自然かもしれません。
 解説によるとこれが『指輪物語』以降で最初にギル=ガラドの名前が登場した箇所で、この当時はまだこのような構想であったようです。また細かいところですが、ここではまだGil-GaladではなくGilgaladと綴られております。しかしこの時からすでにこの名前はStarlightと星の光を意味する言葉であったようです。
 
 さて次。今度は「ベレンとルーシエンの物語」の草稿において、フェラグンドがオロドレスに王冠を与えてナルゴスロンドから出立するシーンで、そのページの下部にあったというメモ。
 
 「しかし禍を予見していたかれは、息子ギル=ガラドと妻を避難させることをオロドレスに命じた。」
 
 この文は削除されていたそうですが、フィンロドに妻子がいて、危険を避けるためにナルゴスロンドから去らせたという点は共通しています。
 
 三つ目は、さらに時系列的に後、オロドレスがケレゴルムとクルフィンをナルゴスロンドから追放するくだり?にあるメモ。
 
 「しかしイングロールの妻である○○の奥方は、ナルゴスロンドの民を見捨て、息子のギルガラドとともにファラスの港へと去った。」
 
 イングロールはフィンロドの初期名で、○○の部分は原文では空白になっており、おそらく妻の名前を入れる予定であったと考えられます。ここでは妻と子が自発的にナルゴスロンドを去っているのが少し印象的です。
 
 もう一つは、AB2(The Later Annals of Beleriand)にある、「しかし半エルフのエルロンドは残り、世界の西方を統治した」という文章に加えられた修正の一部。
 
 「しかし半エルフのエルロンドはイングロール・フェラグンドの息子ギルガラドとともに残り、世界の西方を統治した。」
 
 このように、最初の段階ではギルガラドはフィンロドの子として考えられていたことが示されています。しかしここから、後の設定のようにフィンロドには妻子がいないということになり、同じくHoMe11に収録されている「灰色年代記(The Grey Annals)」にはそのことがはっきりと書かれています。さらにそこにはフィンゴンの子であるという設定がメモで加えられた(HoMe11, p.56)ようです(ちなみにここでは名前がFindorとも書かれているようで、名前の設定も幾分揺らいでいたのかもしれません)。
 
 結局のところギル=ガラドはそれからさらに設定変更を経てオロドレスの子というところに落ち着くのですが、この「フィンロドに妻子がいた」というアイデアはもしかしたら教授の頭の中にあって、指輪物語に登場する「フィンロド王家のギルドール・イングロリオン」もそこらへんから出てきたキャラクターなんだろうか…なんてこともふわふわと考えたりしています(イングロールは上記の通りフィンロドの初期名で、-ionは「~の子」という意味に取れるので)。
 
 また、フィンロドの妻が(おそらく)ファラスリムの女性であったという設定、なんとなくフィナルフィンの妻エアルウェンのように、奥さんが海属性であるところで共通点があるな… なんてこともふと思ってみたり。
 
 HoMe12で最終的にどのようにしてオロドレスの子となったのかもちゃんと読んでみるつもりですが、こちらはもうすでにネット上の各所のWikiなんかでも紹介されているので、わざわざここでまとめる必要はないだろうか。でも何か面白い情報があればここかツイッターでつぶやいて見たいと思います。
 
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◆前回の日記に拍手をありがとうございました!

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